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西川町は、古くは出羽三山参りの行者の宿場町として栄え、現在も「山菜」や「きのこ」でもてなす風習が残っております。その中でも原木なめこは、全国でも有数の生産量を誇ります。
原木なめこは、朝晩が寒くなる10月から11月頃に旬を迎えます。天然のなめこのようにぬめりがあり、汁物にして食べると冷えた体がとても温まります。その他にも秋に収穫したそばと山菜、その他のきのこを使って作る「月山山菜そば」は月山の秋の恵みを楽しめる逸品です。
西川町の原木なめこの生産者は、50代以上の中高年の方々が中心で個人やグループを作り、それぞれの山で頑張って栽培しています。原木栽培は、山で木を伐り、玉切りして、穴をあけ、きのこの菌を植菌し、その重い植菌した木を積んだり一定の間隔で並べたりして菌を培養させる栽培方法です。収穫は植菌の翌年から概ね5年の間で行われ、収量のピークは2~3年目となります。また、山の斜面の中で重い原木を扱うため人手や体力が必要ですし、自然の中での栽培のため、天気や気温に収量が大きく左右され、苦労することも多くありますが、施設内で栽培する菌床きのこと比べると、天然のなめこ同様な味や香り、色艶があり、とても美味しいなめこになります。
西川町では、平成30年度から令和2年度まで農林水産省の農山漁村振興交付金(山村活性化対策)を活用し、「町ぐるみ山菜きのこ産業振興プロジェクト」を立ち上げ山菜きのこの生産拡大と商品開発に取り組みました。
生産拡大では、山菜促成栽培実験事業として山菜の促成栽培の技術取得のため、タラノメを対象として春から秋にかけて露地での株養成、冬には加温施設での促成栽培を3年間実施しました。地元住民が生産団体を作り、他の生産者から助言や町内飲食店からの評価等を受けながら、令和3年から道の駅等への販売を行っています。
また、町ぐるみ山菜きのこ栽培推進事業として、地域にある耕作放棄地や山林を活用し、地域住民が主体となって山菜等の栽培を実施しました。町内にある2つの地区で、ネマガリダケ60a及びワラビ40aの園地を整備し、栽培管理を行いながら、山菜の販売に向けて取り組んでいます。
商品開発では、山菜きのこの消費者を対象に、平成30年度にマーケット調査を実施。その結果、「簡単に調理できる加工品」を求める意見が多数であったことから、町内事業者と連携し、町特産の月山筍を皮ごと粉末化してパスタに練り込んだ「月山筍パスタ」を開発しました。商品は、令和3年1月から道の駅等で販売しています。